夜型人間のための知的生産術
本日も、ご乗車ありがとうございます。
今回は、齊藤孝さんの
「夜型人間のための知的財産術」
という本をご紹介します。
齊藤孝さんといえば、「声に出して読みたい日本語」を思い浮かべる人が多いでしょう。
多くの本を執筆している人、というイメージもあります。
実は、500冊以上執筆しているそうです。
とんでもない量のアウトプットですね。
その膨大なアウトプットの裏には、齊藤さんが大切にしている、「夜」という素晴らしい時間があるのです。
本書では、その「夜」の魅力について著者がイキイキと語っています。
決して、夜型人間になるべきだ、という内容ではなく、人間として知的活動ができる喜びや、生きるうえでの考え方が書かれています。
著者は、夜についてこう書いています。
知的好奇心と想像力が掻き立てられる時間帯
と。
一日の終わりに感じるリラックス感と、自分だけの時間だというワクワク感が、夜にはあるというのです。
確かに、夜はほとんどの人が眠りについて、外も暗く、ワクワクする気持ちになりますよね。
私も、子供のころは夜な夜な布団の中でゲームをする時間がとても贅沢に思えていました。今でも、夜に温かいお茶を飲みながら読書をしたり、ゲームをすることがあります。
仕事の関係上、著者のように夜型生活を毎日するわけにもいきませんから、休日前だけ少し夜更かしをする、というようにしています。
また、印象的な言葉が本書にありました。
人の幸せとは、自分のゴールデンタイムをいかに充実して過ごせるかどうか
著者はこう考えているのです。
自分の1日を構成しているものは何なのでしょう。
振り返ってみると、「仕事の時間」と「特に目的もなくダラダラと過ごす時間」の2つだけが1日を構成している日が多々ありました。
皆さんも振り返ってみてください。1日のうちにどれだけ充実感を感じられたのか。
では、夜の知的生産って具体的に何をすればいいのでしょう。
著者はさまざまな手段を本書内で語っていますが、一番強調していたものは「読書」です。
読書は、知的生産において最も重要なものなのです。
著者曰く、読書とは
生きていく喜びを感じられて、生きる土台にもなる。
ものです。
著者は、やや厳しくもこう言っています。
すでに知的教養を十分身に着けた人が気分転換にゲームをやるのは結構なことです。
しかし知的でない人が、ようやく自由に使える夜の時間に本を読まないとなると、知的になるチャンスを逃しているようでもったいないと思います。これは、人間として生まれて、少し寂しいものがあります。
と。
厳しい意見であると同時に、私にはとても深く響くものがありました。
人間は、知的な生き物です。80年ほど生きる中で、知的活動を怠ってしまうことは荒れ地のなかで寂しく過ごすようなものです。
せっかく人間として生まれたのなら、知識や教養を耕して、みずみずしく生きていきたいものですね。
膨大な数の本を読んできた著者がおすすめする本の読み方のひとつが、非常に腑に落ちたのでここでご紹介します。
それは、「話を聞く」イメージで読む、ということ。
読書、というと「文字を読んでいく」という印象があります。(というか実際そうなのですが)
ですが、考え方を変えて、お金(書籍代)を払って自分だけのために偉人たち(著者)が語りかけてくれている、という考え方にすると非常に面白いものがあります。
まず、偉人達のなかにはすでにこの世を去っている人も大勢いるわけですから、その人たちが傍に立って講義をしてくれる。なんて贅沢なのでしょう。
しかも、自分の聞きたいところだけで良く、眠たくなったら寝たらいい。
ほんの少し発想を変えるだけで読書に対するイメージが楽しく面白くなる気がしませんか。
私はついダラダラと目的もなくYouTubeやSNS、ゲームに時間を費やしてしまうことが多く、どことなく空虚感を内包したまま1日を終えていく、という日が沢山ありました。
この本を読んで、知的生産の重要性と、自分の時間の使い方を改めて再確認することができました。
まだまだ人間としても、ブログとしても力が弱く、未熟な存在ですが、堅実に成長していきたいと思いました。
夜型人間の方も、そうでない方も、「知的生産」に興味のある方には是非お読みいただきたい1冊です。
ではまたお会いしましょう。